レッドライスカンパニー株式会社

達人名:難波 友子さん Namba Tomoko
    レッドライスカンパニー株式会社 代表取締役
    難波 尚吾 さん Namba Shogo
    レッドライスカンパニー株式会社 取締役
ジャンル:農業 Agriculture
岡山県総社市 Souja-City Okayama

ph_main_DSC_1786.JPGph_main_DSC_1786.JPGスクリーンショット(2012-09-26 17.02.46).png

地域の神事で使われる赤米で6次産業化

岡山県総社市にあるレッドライスカンパニー株式会社は、難波尚吾さんと友子さんが夫婦で創業した。総社市は、尚吾さんの生まれ故郷で、社名にも記されている「赤米」を使って2011年から6次産業化を展開している。赤米で起業しようと考えついたのは、尚吾さん。「大学時代、夏休みなどで岡山に帰省して、東京に戻る時にお土産を買おうとしても、お土産の種類が少なくて、メジャーなのは吉備団子しかないと気がつきました。地方から何か発信できるものはないかと考え、僕の地元には赤米があり、これを加工して吉備団子を越えるようなお土産品になれば面白いんじゃないかと思いました」と話す。
(2016年10月11日 取材・撮影/RPI)

■レッドライスカンパニー株式会社
http://www.redrice-co.com/


インタビュー

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大学在学中からUターンして起業することを決意

01_DSC_1761.JPGレッドライスカンパニー株式会社 取締役 難波尚吾 さん。1981年生まれ、岡山県出身。東京農業大学生物生産学部に在学中、吉備団子に代わる岡山の特産品を作りたいという思いから「赤米」による6次産業化に着目した。 総社市で生産されている「総社赤米」は地元の国司神社の神事の供物として栽培されている雑穀米の一種。県内でもメジャーとはいえない特産品だが、尚吾さんは小学生の時に赤米の収穫体験をした思い出が忘れられなかった。大学で知り合った友子さんも尚吾さんの夢に共感し、将来を共にしようと決意した。尚吾さんは、大学の研究室で赤米の基礎分析をはじめ、赤米でお酒を作るなど可能性を追求。この頃すでに、赤米を使った加工品の構想は何十種類もあったという。「大学の研究室で、赤米の研究を行っていた時代も含めると、起業に向けての準備期間は12年にもなります」と尚吾さん。

 卒業後は互いに首都圏の食品メーカーに就職し、マーケティングから商品開発、衛生管理、成分分析などに従事し、経験とスキルを積んだ。「加工食品の一括表示についての知識もありますし、原価試算も適正価格にできます。これは前職のおかげです」と友子さん。

異業種からの就農と岡山へのIターン

02_DSC_5205.jpgレッドライスカンパニー株式会社 代表取締役 難波友子さん。1981年生まれ、山口県出身。東京農業大学短期大学部醸造科を卒業。起業と同時に尚吾さんからの推薦で代表取締役に就任。4児の母でもある。 30歳までに起業しようと決めていた難波さん夫婦は、3人の子供と共に家族5人で岡山県へ移住。移住後、当初の事業計画では、赤米を仕入れて、二人がこれまで培った技術で商品開発をしていくイメージだった。しかし、原料となる赤米が、その稀少さゆえ仕入れ価格が高く、これを原料とすると加工品の価格まで高額になってしまう。それでは、吉備団子を越えるお土産品にはならないと考え、自分たちで赤米を作ろうと、尚吾さんの実家の休耕地1ヘクタールを借りて赤米の栽培を始めた。

 農業が未経験の二人にとって、赤米栽培は未知の世界。「普及員の方をはじめ、地元のみなさんに、苗作りから収穫までの一連の作業を親切に教えていただきました」と友子さん。ただ、農業に取り組む女性からの視点では、女性用の農作業着の種類が少なく困ったことや、農機具の扱いにも苦労したそうだ。


地元農家とも連携総社古代米生産組合を発足

03.JPG自社の運営だけでなく、田んぼでの農作業体験イベントを企画・実行し子供達への食育を推進するなど地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる。 初年度の赤米は無事に収穫できたが、圃場1ヘクタールでの赤米の収穫量では、加工品を作るのに十分ではない。二人は、「総社古代米生産組合」を発足させ、赤米を栽培してくれる農家を募った。「神事に使う赤米で事業をしていくことに反対される方や、雑穀米を作るのに抵抗を持たれた方、地域の方々の反応は最初はいろいろありましたが、話し合いを重ねて理解をいただけたと思っています」と尚吾さん。また、「全量でなくてもいい、半分でもいいから作ってほしい、買い取り値段も全力で努力する」と呼びかけ、賛同してくれた農家の圃場も合わせ、赤米の栽培面積は5ヘクタールに広がった。 翌年、設立した会社の社長には友子さんが就任。「赤米のニーズは女性にあり、赤米を広報活動するのも女性がいいと主人から推薦され社長になりました」と友子さん。

米を米売り場で売らない斬新な販路開拓

04.jpg高梁川の流れる肥沃な土壌に恵まれ、レッドライスカンパニーの赤米「あかおにもち」は栽培されている。  赤米の生産現場では一年生だったが、商品開発においては二人とも豊富な知識があった。また、かねてより加工商品の構想も十分にあった。「あとは時代のニーズに合あわて、〝いつ出すか〟というタイミング次第だった」と友子さん。雑穀米の認知度が上がり、塩麹ブームが後押しする中、レッドライスカンパニーでは「赤米塩糀」を開発し販売。他の塩麹製品が並ぶ商品棚で、ほんのりピンクがかった赤米の塩糀は、ターゲットを女性に絞って商品開発が行われた。

 マーケティングの知識も豊富にあった二人は、麹の次は甘酒がブームになることを予測。女性を意識した甘酒で、パッケージはかわいらしくスタイリッシュに。そして、友子さんのアイディアから商品名は「はれのひ」に決まった。赤米を使ったこれらの商品は、縁起物として、ブライダル市場や神社・仏閣からも注文が来るようになった。販路開拓の意外性も、レッドライスカンパニーの強みである。「売り場に縛られず市場を広く捉えることができたのは、前職のおかげです」と友子さんは話す。また、尚吾さんは「米を米売り場で売りたくないですね」と話す。最近では百貨店や企業とコラボレーションした商品を開発するなど、赤米を使った加工商品の販路はさらに広がり、レッドライスカンパニーの6次産業化は注目を集めている。




サポーター

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〜ここで働く仲間、外部でサポートしてくれる仲間がいて成り立っている〜

レッドライスカンパニー株式会社をサポート

岡山西農業協同組合 営農部 営農企画課
酒井啓さん(写真中央)

何とか実現してあげたいと思わせる新しい地域の風

05_サポーター_酒井さん.JPG05_サポーター_酒井さん.JPG 難波さん夫婦がちょうど岡山に移住してきた頃、私もこの地区に配属され、縁あって二人と知り合いました。農業未経験の二人は、熱心に様々な知識を吸収しようとしました。尚吾さんにおいては常識を覆すような栽培方法の提案や、新たな品種の提案を受け、驚くことも多かったです。私としてはそれを受け止めて、どうしたら可能にできるか考える毎日で、まるで課題を出されているようにも感じました(笑)。
友子さんにおいてはとにかく一生懸命で、岡山に移住してから4番目のお子さんを出産し、1箇月も経たないうちに圃場に出て作業されてました。地域を盛り上げていこうという若い二人の6次産業化をこれからも応援し続けたいと思います。

達人からのメッセージ

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商品開発で大切なことは、お客様の目線に立つことです。お客様は何を欲しがっているのだろう? この商品はお客様にはどのように映るだろう? 自分たちの意見よりも、お客様が何を求めているかを考え、カタチにしていけるよう私たちも努めています。

レッドライスカンパニー株式会社

001 赤米
レッドライスカンパニーの赤米は、古代より受け継がれる総社赤米とサイワイモチを掛け合わせて生まれた「あかおにもち」という新品種。現在、岡山県総社市、長崎県対馬市、鹿児島県南種子町の3市町が連携し、古代から親しまれている「赤米」を文化庁が認定する日本遺産にしようと申請の準備が進められている。

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002 赤米塩糀(しおこうじ)
レッドライスカンパニーの加工商品第一号。肉料理や豆腐にかけたり、ドレッシングの材料としても使用できる。

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003  甘酒「はれのひ」
赤米を使った甘酒「はれのひ」。古代よりハレの日の祝いに用いられてきた赤米を使用したことから、「はれのひ」とネーミング。砂糖不使用でノンアルコールの甘酒。第13回グルメ&ダイニングスタイルショー新製品コンテストで、ビバレッジ部門大賞を受賞。

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